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For LiDAR scanning solution ポリゴンミラー&ポリゴンレーザスキャナ 特集 Vol.1

For LiDAR scanning solution ポリゴンミラー&ポリゴンレーザスキャナ Vol.1

Chapter 2

LiDARの各種スキャン方式を検証

ポリゴンレーザスキャナ vs. ガルバノメータ

以下、LiDARスキャニングソリューションとして、ポリゴンレーザスキャナとガルバノメータの比較を示します。

1. 広角範囲

ポリゴンレーザスキャナガルバノメータ
4面ミラ―を使用の場合、レーザビームをスキャンする広角範囲は120°にまで及びます。3面ミラ―使用であれば、さらに走査範囲は広角に広がり、一度に複数の面を照射すれば、360°の周囲全てをカバーすることも可能です。
これは、ガルバノメータでは到底不可能な領域です。
一般的に、ガルバノメータの走査範囲は、機械的に±20°、光学的措置を施しても80°が限界です。
従って、ガルバノ単体では、ポリゴンに比べて狭い広角範囲での使用に制限されます。
Good Bad
 
ポリゴンレーザスキャナ Good
4面ミラ―を使用の場合、レーザビームをスキャンする広角範囲は120°にまで及びます。3面ミラ―使用であれば、さらに走査範囲は広角に広がり、一度に複数の面を照射すれば、360°の周囲全てをカバーすることも可能です。これは、ガルバノメータでは到底不可能な領域です。
ガルバノメータ Bad
一般的に、ガルバノメータの走査範囲は、機械的に±20°、光学的措置を施しても80°が限界です。従って、ガルバノ単体では、ポリゴンに比べて狭い広角範囲での使用に制限されます。

2. スキャン速度の安定性

ポリゴンレーザスキャナガルバノメータ
ポリゴンスキャナは、数百~5万RPMの広範囲な回転速度の設定が可能であり、かつ回転運動によるため一定の走査スピードを維持します。これにより、ポリゴンを装備したLiDARは、短距離/長距離の測定に関わらず、高分解能な光信号を直線的に安定的に取り込むことが可能です。 ガルバノメータは、上図のように往復復動によりレーザを走査するデバイスですので、往から復/復から往に運動が切り替わる直前直後では、必ず僅かながらでも最高速より減速が生じています。従って、ガルバノのスキャン速度は厳密には一定ではありません。
Good Bad
 
ポリゴンレーザスキャナ Good
ポリゴンスキャナは、数百~5万RPMの広範囲な回転速度の設定が可能であり、かつ回転運動によるため一定の走査スピードを維持します。これにより、ポリゴンを装備したLiDARは、短距離/長距離の測定に関わらず、高分解能な光信号を直線的に安定的に取り込むことが可能です。
ガルバノメータ Bad
ガルバノメータは、上図のように往復復動によりレーザを走査するデバイスですので、往から復/復から往に運動が切り替わる直前直後では、必ず僅かながらでも最高速より減速が生じています。従って、ガルバノのスキャン速度は厳密には一定ではありません。

3. スキャン精度、消費電力

ポリゴンレーザスキャナガルバノメータ

LiDARは、ターゲットからの反射で受けたレーザ光をいかに多く広範囲にわたり正確な情報として収集できるかによってその精度が決まります。上述のとおり、ポリゴンスキャナは高速かつ広角にレーザをスキャンすることができます。さらに、往復運動のガルバノと違い回転運動によるため、その動作は一定の速度で常に安定させることが可能でリニアで高い分解能のスキャニングを実行します。その結果、非常に精緻な測量と高解像度な画像を私達にもたらしてくれます。
スピードはガルバノの10倍速を優に実現しますが、それでも消費電力は比較的低く抑えられます。

ガルバノメータは、往復復動の支点であるミラーの中央部で最も速く、終端部では最も遅くなります。これは、レーザ照射位置がミラー終端に近ければ近いほど分解能は良くなり、中央部付近ほど分解能の程度は悪くなることを意味します。また、上述したように、スキャン速度は厳密には一定ではないため分解能は直線的ではありませんし、ポリゴンのように広角な範囲をカバーすることもできません。
また、消費電力も非常に高くなる傾向にあります。
(数百ワットに及ぶ可能性もあります。)
なお、垂直走査(Y軸)では、比較的低速で走査させますので少ない電力量で済み、ガルバノに適性があります。

Good Bad
 
ポリゴンレーザスキャナ Good
LiDARは、ターゲットからの反射で受けたレーザ光をいかに多く広範囲にわたり正確な情報として収集できるかによってその精度が決まります。上述のとおり、ポリゴンスキャナは高速かつ広角にレーザをスキャンすることができます。さらに、往復運動のガルバノと違い回転運動によるため、その動作は一定の速度で常に安定させることが可能でリニアで高い分解能のスキャニングを実行します。その結果、非常に精緻な測量と高解像度な画像を私達にもたらしてくれます。スピードはガルバノの10倍速を優に実現しますが、それでも消費電力は比較的低く抑えられます。
ガルバノメータ Bad
ガルバノメータは、往復復動の支点であるミラーの中央部で最も速く、終端部では最も遅くなります。これは、レーザ照射位置がミラー終端に近ければ近いほど分解能は良くなり、中央部付近ほど分解能の程度は悪くなることを意味します。また、上述したように、スキャン速度は厳密には一定ではないため、分解能は直線的ではありませんし、ポリゴンのように広角な範囲をカバーすることもできません。また、消費電力も非常に高くなる傾向にあります。(数百ワットに及ぶ可能性もあります。)
なお、垂直走査(Y軸)では、比較的低速で走査させますので、少ない電力量で済み、ガルバノに適性があります。

4. コスト

ポリゴンレーザスキャナガルバノメータ
使用目的や使用環境にもよりますが、一般的に、LiDARにおいてはある程度の精度は求めたいところであると存じます。高精度・高信頼性を求めるなら、コスト競争力はポリゴンスキャナの方がガルバノより優れます。

精度や信頼性を求めなければ、ガルバノメータは1,000円程度で購入できるでしょう。ただし、高精度・高信頼性タイプであれば、ガルバノメータは数万円のコストは覚悟しなければなりません。

Better Good
 
ポリゴンレーザスキャナ Better
使用目的や使用環境にもよりますが、一般的に、LiDARにおいてはある程度の精度は求めたいところであると存じます。高精度・高信頼性を求めるなら、コスト競争力はポリゴンスキャナの方がガルバノより優れます。
ガルバノメータ Good
精度や信頼性を求めなければ、ガルバノメータは1,000円程度で購入できるでしょう。ただし、高精度・高信頼性タイプであれば、ガルバノメータは数万円のコストは覚悟しなければなりません。

5. 耐熱性 / 寿命

ポリゴンレーザスキャナガルバノメータ
ポリゴンスキャナは耐熱性に優れ、高寿命です。高温環境でも低温環境でも問題なく動作します。ヒートシンクや能動的な冷却も基本的に必要としません。

ヒートシンクが必要ですし、さらに冷却を要することも想定されます。ガルバノメータのコントローラは、消費電力の観点でも非常に高価であり、かつ冷却用に大きなヒートシンクを要しますので、たとえば、夏の猛暑日のような使用環境などを想定すると、LiDARは常に導電しつつ小型化の傾向はますます進むでしょうから、こうした冷却用付属品を要することは今後さらにネックとなることでしょう。また、耐熱性が良くないことは当然寿命にも影響します。

Good Bad
 
ポリゴンレーザスキャナ Good
ポリゴンスキャナは耐熱性に優れ、高寿命です。
高温環境でも低温環境でも問題なく動作します。ヒートシンクや能動的な冷却も基本的に必要としません。
ガルバノメータ Bad
ヒートシンクが必要ですし、さらに冷却を要することも想定されます。ガルバノメータのコントローラは、消費電力の観点でも非常に高価であり、かつ冷却用に大きなヒートシンクを要しますので、たとえば、夏の猛暑日のような使用環境などを想定すると、LiDARは常に導電しつつ小型化の傾向はますます進むでしょうから、こうした冷却用付属品を要することは今後さらにネックとなることでしょう。
また、耐熱性が良くないことは当然寿命にも影響します。
 

ガルバノメータは、LiDAR業界で比較的よく知られた技術であり実装が容易なため、何の疑いもなくガルバノメータを使用して開発を進めてきたLiDARメーカも多いように推察します。他方、ポリゴンレーザスキャナは、レーザプリンタの市場以外ではスキャニングデバイスとしてあまり良く認知されておりませんでした。
ガルバノを使い続けてきたLiDARの開発者にとっては、要求仕様として求めるところの乖離や時間・コスト面などで、これまで製品開発の大きな障壁になっていたことも少なくなかったのではないでしょうか。

以上の比較検証・考察から、ポリゴンレーザスキャナは、広角範囲をカバーする非常に高精度なレーザ走査を実現し、かつ長距離スキャンにおいてはガルバノに大きく水を開け絶対的優位性を誇っており、加えて長寿命でコスト競争力も備えておりますことより、最良のLiDARスキャニングソリューションと言えます。
ぜひ、この機会にポリゴンミラー、ポリゴンレーザスキャナの採用ご検討を宜しくお願い致します。

MEMS方式はLiDARの主流となり得るか?

数年前まで、MEMSスキャナ方式は、ポリゴンレーザスキャナとガルバノスキャナに代わる低コスト品として注目されていました。そのため、ソリッドステートとしてMEMS方式は、LiDARスキャニングデバイスとして主流になり得ると考えられていましたが、一概にそうとは言えないようです。

MEMSは温度により走査速度の影響を受けます。また、MEMSミラーは反射箇所次第でスキャンが正確でないところがあります。と言いますのは、MEMSスキャナは共振デバイスですので、それはミラーの中心部が最も速く、終端部が最も遅くスキャンする、つまりスピードに差異があることを意味しています。これはスキャンの中心が終端部に比べ低い分解能であることを意味し、精度が求められるLiDARにおいて、この分解能のバラツキは致命的にもなり得ます。

次に、ポリゴンミラーの平面度は、一般的に λ/4@633nm にまで及び、非常にフラットに出来ておりますので、数百メートル先まで高解像度スキャンが可能ですが、方や、MEMSミラーにおいて平面度を求めることは困難です。そのため、MEMSはそう長くない走査範囲の使用に制限されます。

さらに、MEMSは小さく、MEMSミラーの強度は “ポテトチップス” と揶揄されるほど、薄くて壊れやすいものです。そのため、車両の動きによって壊れてしまうことがあります。MEMSミラーは非常に細かいトーションバーの間に懸架された構造をしていますので、その寿命の終わりに突然、物理的な破損を招きます。

以上から、ソリッドステート式の代表格であるMEMS方式が、LiDARにおいて常に最適であるという主張は誤りです。

ポリゴン方式は、その高い精度と再現性の実力から最も信頼性のあるLiDARスキャニング技術と言えます。地上環境か空中環境かを問わず、乗用車から商用車、交通インフラに至るまで、その裾野は徐々に広がりを見せています。
ポリゴンレーザスキャナは、モバイルLiDARアプリケーションとして動作することも証明されており、長い距離+広いスキャン角度に優位性を持ち、コスト競争力も備えてきていますので、将来のさらなる可能性を大いに秘めています。

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